2022.1.28

ジェットコースターが好きだ。

好きなものを三つ挙げろともしいわれたら必ずその中に含めるであろうぐらいには好きだ。ちなみに残りの二つのうちひとつは猫、もうひとつはそのときの気分による。

ジェットコースターは素晴らしい。まずなんといっても速くて高くてデカい。速くて高くてデカいものが最高じゃないわけがない。乗っているときはまるで自分が風になったかのような気持ちだ。

生きていくうえでまったく役に立たないものなのもいい。高度な物理学を学んだ建築者が、娯楽に全振りした遊具を細かい図面を書いて設計しているのだと思うと愉快な気持ちになる。

出発する前や、ゆっくり徐々に上っていっているときののワクワク感も素晴らしい。生きていてあんなにワクワクできることが他にあるだろうか?疑似的に死に近づいている感覚、2分間の臨死体験、本当に死ぬときもあんなふうなスリルが味わえたらいいのに。

そしてなんといっても、「落ちる」瞬間のあのフワッと内臓が浮く感じがたまらない。あれは酩酊したときやセックスをしているときに匹敵する、いやそれ以上の快楽であると言って差し支えないと思う。

このように、ジェットコースターを愛してやまないわたしであるが、一緒に遊園地に行けるような近しい間柄の人々は、どちらかというと苦手だという人が多い。付き合ってくれる人がいないので、仕方なく一人で東京ドームシティアトラクションズのサンダードルフィンに乗りに行ったこともある。

苦手だという気持ちはわかる。高所はとうぜん本能的な恐怖を与えてくるし、また前述のフワッとする感じが嫌いだという人はかなりいる。そして、滅多にないことだが事故が起きないとも限らない。

しかし、わたしはどうしても誰かと一緒にジェットコースターに乗りたい。というわけで、苦手な人に向けた克服方法を書いていこうと思う。

①絶対に目をつぶらない

高いところにいるのが怖くて目をつぶってしまう人は多いが、これは逆に恐怖感を増幅させてしまう。次にどこに行くかわからなくなるからだ。わたしは景色を見るのが好きだが、余裕がないならレールの上を常にじっと見ていれば、落下の恐怖が減ると思う。

②乗るところは前から二番目

いちばん前だと真下がモロに見えて心もとなさが増すし、後ろあたりだとフワッと感が増す。得意な人は逆に一番後ろに乗れば楽しいはずだ。

③実況中継をする

「曲がりまーす」「落ちまーす」などと実況することにより、自分が操縦しているかのような感覚になり、怖さが減る。これはどこかのサイトの受け売りだが、わたしはジェットコースターに初めて乗ったときから自然にやっていた。かなりお勧めである。

④下半身はしっかり踏ん張る

これにより、フワっとする感じが減ると思う。まれに床というか足を置く場所がなくブラブラさせるスタイルのやつもあるが、そういうのには乗らない方がいいです。

以上、わたしが見つけたジェットコースター克服方法である。特にフワッとする感じが苦手な人は、これらで簡単に乗れるようになると思う。事故が怖い人は正常性バイアスをマシマシにするしかないです。

というわけで、皆さんわたしと一緒に富士急ハイランドとか行きましょう。コロナなので無言で乗らないといけないらしいが、本当は叫んだほうが恐怖感が減るので、コロナが落ち着いてからにしましょうか。